先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)とは、生まれつき歯の本数が足りない状態を指します。
正常な歯の本数よりも少なく、永久歯や乳歯が先天的に形成されていない(つまり「歯の芽」が存在しない)ことによって起こります。
主な特徴
- 永久歯の欠如が多く、乳歯の欠如は比較的まれです。
- 日本人の約10人に1人程度に見られると言われています(永久歯の先天欠如)。
- 上顎よりも下顎に多く、特に前から2番目、5番目、8番目(親知らず)の歯に起こる割合が高いとされています。
- まわりの歯が傾斜してしまう
- 長時間歯の先天性欠如によって隙間が空いている場合、放置していると周囲の歯が動いて隙間のある部分に傾斜したり移動してしまうリスクがあります。
- 対合歯が下がってくる・挺出してくる
- 先天性欠如によって歯の間に隙間が空いていると、噛み合わせの歯がないため対合歯が下がってくるまたは挺出してきてしまいます。
- そうすることで欠如する歯の反対側の歯列にまで、影響を引き起こします。
- 噛み合わせや発音が悪くなる
- 歯が先天的に欠如していることで隙間が空いていると、発音が悪くなったり周囲の歯が移動することで噛み合わせのバランスが悪くなってしまうことがあります。
- 歯周病や虫歯のリスクが上がる
- 先天性欠如によって隙間が空いていることで、歯の間に食渣が溜まりやすくなります。
- 食渣をそのまま放置したり磨き残しが増えることで、歯周病や虫歯のリスクが高くなってしまいます。
原因
遺伝的要因(家族内で見られることがある)
- 染色体異常や先天性症候群(例:エクトデルマルジスプラジアなど)
- 環境要因(母体の健康状態、妊娠中の薬剤・感染など)
治療法
先天性欠如歯は、自然に治ることはないため、以下のような補綴(ほてつ)治療や矯正が必要になることがあります。
ブリッジ治療
ブリッジ治療は、欠損歯を補うために両隣の歯を支台として使用し、欠損部分の歯を補う治療です。
インプラント治療
インプラント治療は、人工の歯根を埋入しそこに上部構造(人工歯)を取り付けて欠損歯を補う治療法になります。
ほかの歯に負担がかかることがなく、噛み心地もご自身の歯と変わらないため幅広い層に支持されています。
また、天然歯と変わらない見た目に仕上がることもメリットです。
矯正治療
先天性欠如により確保できるスペースを利用して、歯並びのがたつきや出っ歯を改善する場合があります。
先天性欠如では抜歯をせずにこのスペースを確保できるので、歯並びを改善したい場合には欠損部分を利用して矯正治療を行うことがあります。
東京マール歯科 日本橋院